名南ふれあい病院 院長 岡根 誠
2021年6月より、前院長の小松健医師に代わり名南ふれあい病院院長に就任いたしました。
私は、同じ法人内の名南病院で外科医として30年余、整形外科や泌尿器などを含めた外科系全般にも携わってきた後、2019年10月から当院にて、主に回復期リハビリ病棟を担当させていただいてきました。
当院は、病院機能として「一般/専門外来」と「回復期リハビリテーション病棟(60床)」を、また施設機能として「介護医療院名南ふれあい病院(60床)」、「老人保健施設かたらいの里(100床)」を併設しています。回復期リハビリテーションは、不幸にして脳卒中に罹患したり、転倒や事故により大腿骨等を骨折したりして、直後の急性期治療後に、残っている日常生活の不自由(歩行、作業、言語など)に対する回復を支援し、ご自宅や施設への復帰を実現するのが役割です。訓練は、土曜も日祭日もなく365日間継続して行われます。当院では、糖尿病や心肺疾患などの多くの疾患を抱えた困難な患者さんも受け入れてリハビリを行なっています。
一方、退院イコール回復の終了ではありません。リハビリテーションを継続することにより、身体機能、生活動作・活動は長期にわたって回復します。当院では必要に応じて、退院後も医師による定期診察、外来リハビリテーション、デイケア(通所リハビリテーション)、訪問リハビリテーションでは、理学・作業療法士そして言語聴覚士による、リハビリテーションを提供しています。あわせて装具・義足作製、ボツリヌス治療、摂食・嚥下機能評価なども行っています。また小児のリハビリテーションにも力を入れています。
この間、脳卒中や神経疾患、外傷、関節・脊髄等の障害を持つ様々な患者様を病棟や外来で受け入れ、その方々がご自宅や住み慣れた地域の中で生き生きと暮らし続けられるよう精一杯の治療や支援を続けさせていただいてきました。
また病気の診療だけでなく、健康診断や予防・健康づくり活動(WHOが推奨する国際ネットワークであるヘルスプロモーション)にも力を入れています。そしてそんな理念に賛同していただける地域の皆さんと共同で運営しています。
私たち医療法人名南会は、経済的困難を抱え行き場が無く、他院所や他事業所で受け入れを断られたような方の「最後の拠りどころ」でありたいと、差額ベッド料はいただかず、「無差別・平等の医療・介護」を40年以上にわたりおこなってきました。
地域包括ケア時代の今日、名南ふれあい病院の医療・介護活動とともに、介護医療院、老人保健施設、通所リハビリ、通所介護、訪問診療、訪問看護など法人内事業所が実践しているあらゆる分野において、地域での役割がさらに求められることが予想され、果たすべき責任も大きくなると感じています。
名南ふれあい病院の基本理念、「無差別・平等の医療と介護を通じて安心して暮らせる街づくりに貢献する」に基づき、地域の様々な機関と連携をとりながら、名南会の持つ機能も生かして、皆様に信頼される病院に成長していきたいと考えます。
これからもご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。